Bunkamuraシアターコクーンで「オレステス」を観て来ました。
二時間十五分弱の上演で途中休憩なしだったので体調管理には気をつけておきました。
ギリシア悲劇なので台詞の量が多いし、人物関係が複雑だから、うっかり気を抜くと「今の台詞なんて言っていたっけ」と置いてきぼりをくらいます・・・。集中力が必要ですね。
「水を使用する演出なので、前方の人は水濡れのご注意を」というので、どんな仕掛けがあるのかなーと考えていたら、舞台上に雨が。結構激しく降るので、涼しい風が舞台の方から流れてきます。
コロスの皆さんは、冒頭部分は傘を差して登場するけど、その後は傘なしでほとんど出ずっぱり。
雨が降る中で台詞を言おうとすると、口の中にまで水が入ってくるだろうし。
雨音に台詞がかき消されてしまい、聞き難い部分があったことも。
演じる方も観る方も大変です。
エレクトラとオレステスが姉弟にも関らず、まるで恋人同士かのようなラブラブ(死後)ぶり。
オレステスの親友ピュラデスがいても、存在を無視して二人きりの世界ですよ。
なもんで、背中を向けていじけるピュラデス(笑)
あんな弟がいたら、そりゃ姉は嫁に行きませんて。
しかしピュラデスもオレステスの面倒を見れて嬉しい~とか言ってるし。
オレステスを巡る三角関係が出来てますよ・・・。
ピュラデスは親友思いのいい奴タイプ。頼りがいのある兄貴という感じ。そのせいで、自分の国を追い出されてしまうのですが。
下手側の通路席だったので、俳優さんたちが駆け抜けたり、肩組みして歩いて行く姿を拝見できました。
甲冑が重いこともあり、階段を上る途中で「はぁ」と深呼吸するメネラオス。
一挙手一投足が格好いいのですよ。しかし、この人の奥さんのせいでトロイア戦争が起きたんだよねぇ。
この家系は女運悪すぎ・・・。
プリュギア人とオレステスの掛け合い、面白いです。
緊迫した場面に、ほっと一息つけるので好きですわ。
そして機械仕掛けの神登場。
観劇後、数日間は脱力して何もする気が起きませんでした。観ただけなのに。
俳優さんたちはこれを約一ヶ月続けるんだから、驚きです。
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