東京都現代美術館にて7月2日まで開催中の「カルティエ現代美術財団コレクション展」に行ってきました。
お目当ての作品はロン・ミュエク作「イン・ベッド」。
この美術展のポスターやチラシにデザインされている作品です。
ロン・ミュエクの作品と巡り会ったのは、三年前のシドニー現代美術館でのこと。
ふらりと立ち寄ったこの美術館で衝撃を受けました。
小部屋に展示されていたものは入場制限されていて、一度に数人しか入れないようになっていました。
「Crouching Boy with Mirror」という作品は、少年が身をかがめて鏡を覗き込んでいるのですが、本物の人間かと思って近寄って行くとそれが彫刻だと判明して驚きを受けます。
「イン・ベッド」では巨大な女性がベッドに横たわっています。
近寄ってみると、手の甲に浮き出ている染みや、肘を曲げたときにできる加齢によるしわ、白い肌の下にある静脈、赤み、触れてみたら絶対に温かいと思わせるまことに不思議な彫刻です。
材料をみると「Mixed Media」となっています。何でできてるのかなー。
ロン・ミュエクはメルボルン生まれで、現在はロンドンを拠点として活動中とのこと。
今後も見る機会があるといいなぁ。
一階の展示室、入ってすぐのところにあるライザ・ルーの「裏庭」。
これ全てビーズです。いやー、自分だったら途中で嫌になって投げ出しそうなくらいのビーズ!!
きらきらしていて、まるで夏の午後の裏庭といった感じです。可愛いい。
デイヴィッド・ハモンズの作品で、アフリカの仮面がたくさん壁から吊られているものは、夜中に下からライトアップしたらさぞかし怖いだろうなー・・・。
リチャード・アーシュワーガーの「クエスチョン・マーク/3つのピリオド」文字通りそのまま巨大な文字が、三次元化して空間に存在しています。まるで、これを見た人の心情をあらわしたよう。触って、転がしたい衝動に駆られます。
三階エスカレーター上がってすぐには、恐ろしい空間が・・・。
真っ暗な部屋に大きな目玉がゴロゴロと!!
トニー・アウスラーの「ミラー・メイズ」です。
樹脂とグラスファイバーから成る白いボールに、プロジェクションで目玉とアマゾンのヤノマミ族の若者が描いた動物の絵が重なりあっていたりします。そしてスピーカーからは何やら謎の言葉や音楽が。
自分一人でこの部屋に入っていくのは正直怖いです。なにやらただならぬ気配を感じてしまって。
暫くしたら、他のお客さんの気配がしたので一安心しました。
次は見た瞬間吹きだして笑ってしまいそうになったデニス・オッペンハイムの「テーブル・ピース」。
だだっ広い部屋に、巨大なテーブルと両端には人形が腰掛けています。
マイクを使ってなんだか分からない言葉で、延々と議論しているようです。
この音量がけっこう大きいものだから、監視係さんは大変だろうな・・・。
次の部屋、アラン・セシャスの「大きな頭」を見て、頭でっかちな人間とはまさしくこれだ!!と思いましたよ。
アンドリア・ヴァレジョンの「赤むけの白タイル」、白いタイルがひび割れた下には真っ赤な肉と血が滴っています。腐敗臭がして、蝿が飛び回っていそうな迫力です。生きてる部屋って感じ。映画の「シャイニング」を思い出しました。ホラーだねぇ。
地下二階にある、ジェームズ・コールマンのボクシング映像を使用した作品は、かなりこたえます。
展示室に入ろうとすると監視係さんが、足元をライトで照らしてくれます。
室内は暗く、重低音が響き、ボクシングの映像が細切れにスクリーンに映し出されています。
自分が試合中の選手になったような気分になります。
重低音は心臓の鼓動、殴られた衝撃により狭まる視界、聞こえてくる言葉は心のつぶやき「早く終わってくれ・・ゴングが鳴ってくれれば・・ロープ・・・」と。
川内倫子さんの写真をスクリーンに映し出したものは、最初見ていて田舎の日常風景がのんびり流れているだけかと思っていました。そしたら祖父らしき人が入院して・・・という流れになって、結構しんみりとしてしまいました。たくさんの人がお葬式には集まって、故人の人柄が偲ばれるようでした。真っ赤な彼岸花が印象的。
サラ・ジー「立ち上がるものは全て収斂する」は地下二階から一階まで伸びている巨大で繊細なオブジェ。
スポンジやはしご、小さい植木など小さくて可愛い日常生活用品から出来上がっています。
地震があったら近くにいるのは怖いかも。
パナマレンコ「パナマ、スピッツベルゲン、ノヴァ・ゼンブラヤ」外に展示されてるのですが、ちゃんと監視係りさんがいました。この日は暑かったから、大変だろうに(泣)
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