弥生美術館にて24日(日)まで開催中の「伊藤彦造 追悼展」に行ってきました。
平成16年に御年百歳にて亡くなられた伊藤彦造さん。
非常に厚く濃い人生を送ってこられたんだな、とこの展覧会を見て思いました。
そのエピソードは数知れず。
体が弱かった彦造を哀れに思った父浅次郎。
なんと芸者遊びをさせてあげます(笑)そして、彦造は舞歌の師範代にまで上り詰めてしまうと。
伊藤家の祖先は、伊藤一刀斎。一刀流の達人でした。
父浅次郎は少年彦造に真剣を用いて、その極意を教えます。
薄皮一枚のみを斬り付け、武士道の心を伝える。
そこに親の愛情を感じるそうです。凄すぎ・・・。
1932年には自分の血で「神武天皇御東制の図」という絵を描いたり。
愛国心からだそうですが、激しいですわ。残念ながら、実物は現存していません。
写真のみとなります。
ケント紙が欲しくて、当事の金額で家がニ、三軒買えるほどのお金を出版社から工面してもらったり。
イギリスから輸入するのに、まとまった量でないと購入できなからだったそうです。
それに丸ペンで描くと。
構成がユニークで、映画のワンシーンを切り抜いたような挿絵です。
時代を考えると、かなり斬新だったんだなと。
しかも皆、美男子ですよ。彼等が戦う場面は、エロスとタナトスに満ち溢れております。
図録はなく、ソフトカバー製の伊藤彦造集のような本が販売されていました。
一般の本屋さんでも購入可能なものです。三千円ぐらい。
自分は1997年にワシントンで開催された個展の図録(モノクロで冒頭に数ページカラーあり)を買いました。
こちらは千円ほど。半分ほど対訳がついています。気に入った絵がかなり収録されていたので、満足しています。
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