真相が判明しても、誰も救われない。むしろ辛い記憶を掘り起こされ、その時の判断を改めて後悔させられる。
そんなエピソードでした。
女性なのに、まるで男性のように振舞っていたサマンサことサム。
グレースケリー高校で出会った、同じくはみ出しもののトムとは意気投合。
トムはサムの飾り気のない正直な心根に、同性としての友情を感じていました。
けれどサムはトムを女性として好きになってしまいます。
トムの“絶対に変わるな、約束だ”って台詞が、後になってじんわりと泣かせます。
クラスの女王様ジェイニー・デイビスは、サムに作り物の美を暴かれ、クラスの前で恥をかかされてしまいました。
その腹いせに、サムとトムのキスシーンを皆に言いふらしてしまう。
そんなジェニーの44年後の姿は、フェミニスト運動にはまったとかで、昔の面影はありません。
あの当時から、そういう人であったらねえ・・・。
グレースケリー高校でも居場所を失ったサム。あの校長もどうかと思うけれど。
彼女を受け入れるクラスも学校も無いのでしょうか。
父親のアーチー・ランドールは、引越しが続きこのままでは破産寸前という有様。サムを治療するために、病院へと入院させる決断をくだしたのです。当時の医師たちの心の病に対する誤った治療法が、一番の悲劇だなんて。
トムはサムを救うために、彼女の願いを聞き届け、そのことで罪に問われることに。一生独身のままで、サムの姿を作品に描き続けていたのかと想像すると辛すぎます。
父親も良かれと思った治療が、かえって娘に苦痛を与えるだけで、結果として死を選ばせてしまったという現実と向き合うことになってしまいました。
スティルマンは、内部監査の追求からスコッティをかばったために停職30日間の処罰。
自分だけが不幸の中心だとばかりに、いじけて拗ねていたスコッティに爪の垢を飲ませてやってください・・・。
きっとジェフリーズも「もー、なんでボスが!!」と心の中で思いながら、グラスを傾けていたのでは。
そういえば、ボスがかけていたメガネはSilhouetteだったのかな。
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