りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「ハムレット」を観劇してきました。
ハムレット(河内大和さん)は舞台に出ずっぱりで、足が痛くならないかなーと心配になりました。
スキンヘッドのハムレット、鬼気迫る迫力に圧倒されました。目を開けるよりも、目を閉じている場面の方が多かったです。で、人のやりとりを聞きながら、ニヤリと口元に不敵な笑みを浮かべる所など、もうやられっぱなしです。それまでの冷酷さ加減と正反対に、わざと愛想よく振るまって見せても、好青年の印象しか残らない。
ピアノの演奏も、ひたひたとハムレットの感情を表していて良かったです。
ハムレットに仕えるホレイショー(南拓哉さん)が、王の亡霊を目撃したのが復讐の始まり。
最初から最後まで見届けるのも、従者の務め。
主従二人で秘密を共有するなんて、ぞくぞくします。
あくまで自分の感情を押し殺して、ハムレットに仕える。素敵なホレイショーでした。
オフィーリア(町屋美咲さん)の乱心ぶりは、本当に居た堪れなくなりました…。あの歌がまた哀れみを誘って。
ポローニアス(栗田芳宏さん)、観客の笑いを誘う演技で、息詰まるストーリーにほっと一息。
クローディアス(谷田歩さん)は祈りの場面で己の罪と悔悛を見せるも、すぐにハムレット追放を決意するなど二面性のある王を力強く演じられていました。
ガートルード(山賀晴代さん)は夫と息子の板挟みとなっても、気高く美しく。
劇中劇が浄瑠璃で表現されるのですが、使い魔三人衆が生き人形に見えました。
勢い畳み掛ける三味線の音と鶴澤浅造さんの語りが、平静に見えるハムレットの心情を、熱く代弁しているようで見ほれました。
あとは沈黙。
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