りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ「マクベス」'07に行ってきました。
ヘカテ(藤間紫さん)が杖を振ると、照明が明るくなったり暗くなったりします。この「マクベス」の世界全てを操っているかのような存在です。しずしずを現れるただけで、その場の空気が威圧されます。圧倒的なエネルギー。
ヘカテによってマクベスの悲劇が如何にして起こったのかを、見せてもらっているようです。
マクベス(市川右近さん)は、最初は有能な臣下として登場し、最後には予言に翻弄される哀れな王となって登場。バンクォー殺害の山場では、疑心に駆られた怒れる男を迫力満点に演じられています。
謀反人となった前国王の王子に殺害されるシーンでは、死という運命を受け入れ、抗うことなく殉じます。
見事な死に様と言えるでしょう。
マクベス夫人(市川笑也さん)は、男性なのに女性の恐ろしい負の感情を表現しています。
自分の夫を出世させるためには、どんな手段も選ばない妻。
そして栄華を手にしたけれど、良心の呵責に悩み心を病んでいく。
バンクォー(谷田歩さん)、あの姿勢だと頭に血が上らないかなあと心配してしまいました。
その姿勢から、腹筋と背筋を使って起き上がる場面は、とっても格好良かったです。
亡霊のように感情を表すことなく、目を見開いたまま、観客席の通路を通って退場する様をじーっと目で追ってしまいました。殺陣も素晴らしかったです。
マルカム(市川喜之助さん)は、王子そのもの。立ち居振る舞いから、会話の内容まで「王子」です。
マクダフを試すために、わざと嘘を付くとことか古典的ですが感動しました。
パンフレットを購入して見ていたら、06年公演のときの魔女役の人は日本人形みたいな格好をしています。
日本人形はなんだか髪が伸びてきそうで怖いです…。今回の衣装は中性的なすっきりした衣装です。日本人形バージョンを観ていたら、夢に出てきたかも。
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