あうるすぽっとのホワイエには、海外公演での写真、地元の新聞記事やその翻訳文が展示されていて、開演前から冬物語の世界に浸ることが出来ました。
舞台の薄暗さが心地良かったです。四人の言霊が和紙で出来たランプシェードに蝋燭の火を燈し、時が動き出します。火がなかなか燃え移らない時には、一体どうするのかなと一瞬心配してしまいました。
スクリーンに映し出される雪は、凍てついたレオンティーズの心のようで、悲しいけれどとても綺麗でした。
共に映し出される英語の字幕も決して演技の邪魔にならず、淡く浮かんでは消えて行きます。
言霊は全く動いていないように見えて凄いなと思ったのですが、すり足で少しずつ動いていました。
所作にえらい神経を使って大変だろうなあ。
ポリクシニーズとハーマイオニは、レオンティーズが邪推するのも分かるほど、親しげに楽しそうに会話してましたね。旧知の間柄とはいえ、近すぎだよ!と突っ込みたくなります。
そんな二人を見ているうちに、最初は穏やかな表情だったのが無表情となり、次第に怒りで顔が真っ赤になっていくレオンティーズが素晴らしかったです。
妄想に囚われる怖さが伝わってきました。全て失ってしまうのだから。それも取り返せないものばかりを。
アンティゴナスと羊飼いの早代わりが面白かったです。
全く持って正反対の人物になってしまうのですから。
ここを境目にして、重く苦しい雰囲気も一転します。
休憩時間さえも、時と言霊は動き続けます。
一瞬たりとも目を離せない舞台でした。
とはいえ、トイレ休憩には行かないと後が大変だし・・・
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