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海外ドラマ(CSIシリーズ、LOST、HEROES/ヒーローズ、アグリー・ベティ等)のネタバレ感想をメインとしています。
29 . April
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31 . August
「エレンディラ」観劇して来ました。
以下ネタバレ要素ありますので、ご注意ください。







休憩時間含めて合計四時間という見世物祝祭劇です。

南米の土ぼこりが感じられる舞台照明。
ただその日を暮らすしかない貧しい人々、娯楽などほとんどない。
祖母と孫娘は、祖父が残してくれた莫大な遺産によって、アマゾンの奥深くでひっそりと暮らしていました。
孫娘のエレンディラは、まるで機械のように祖母の世話を淡々とこなしています。
エレンディラの父親、祖父の二人は庭に埋められています。二人の名はアマディス。いい死に方をしていないため、教会に葬ることはできなかったのです。
ある日エレンディラは火事を起こし、祖母の屋敷は全焼してしまいました。
祖母への借金を返済するために、各地で娼婦として働く可哀想な孫娘。
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」の始まりです。

舞台を覆う薄布は、現実との境目を一層はっきりとさせるようです。エレンディラがいるテントは薄布で覆われ、非現実の世界。テントの周囲に並ぶ男たちは、欲望に満ち溢れた俗世界そのものです。
ウリセスとエレンディラの出会いは、風に揺れる布の隙間から目が合ったその瞬間に始まったのです。
二人の逢瀬は布の向こう。言葉よりも肉体を交わすことで、その愛を確かめ合います。
一目ぼれなんて言葉、エレンディラは知らなかったかもしれません。
ウリセスにとっても、この出会いが自分の運命を変えるとは気付いていなかったでしょう。

ウリセス役の中川晃教さん、白いシャツにジーパン、白いネックレスという衣装。純真な青年を真摯に演じています。あの髪型よく似合っているなと思いました。マイケル・ナイマンの曲に合わせて歌うのは難しいだろうなあと、去年のコンサートのときに思いましたが、なかなかどうして、エレンディラへの想いが苦しいほどよく伝わってきました。二幕の最後は、あれっこれで終わり?とあっけなかったです…。
一生懸命なんだけど、不器用なところが可愛いのですよ。

エレンディラ役の美波さん、最初は祖母の言うがままになっていたのに、最後は自分の意志で未来を切り開く少女を凛として演じられていました。祖母に捨てられたくないから、あんなことにも黙って従っていたのかなと。
本当だったら両親がいて、親離れをして…というはずが、父親と母親の両方の役割を演じる祖母の強大なパワーの前には、自分の存在価値を見出せなかったというか。
ウリセスに出会ってからは、それでも借金を返済した後の未来を夢見ていたと思います。

祖母役の瑳川哲朗さん、肉襦袢を纏っての演技です。エレンディラがお腹を下から支えながら歩く姿に、笑みがもれました。祖母は若い頃娼館にいて、アマディスと出会ったのでした。アマディスは、邪魔な奴を殺して祖母と一緒になりました。
ひょっとして、祖母は娼婦をしていて幸せを手にしたから、エレンディラにもそうさせたかったのかなと勝手に想像してみます。借金も返済できるし、素敵な男性と出会えるかもしれない。エレンディラもウリセスと出会うことができたわけですし。

マイケル・ナイマンの主旋律を何度も繰り返す音楽が好きなのですが、今回も良かったです。
各幕の始まりに流れて、休憩から物語の中へと連れ戻される感じが好き。
CD出ないのかなあ。中川さんの歌入りで。
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