シアターアプルにて「ミザリー」を観劇してきました。
小説家のポール・シェルダンを小日向文世さん、元看護士のアニーを渡辺えりさんが演じられています。
ちょっといっちゃってるファンに、自分だけの小説を書くように迫られるのって、さぞ怖いよなあ…と観ながら思ってました。主人公を死なせて終わり、というのには納得出来ないのは共感できますけど、いやーそこまでやることないでしょと。怒らせると何をするか分からないアニー、自分のミザリーに対する想いを朗々と語るところは、オタクと同じだなあ(笑)いっそ自分で二次小説書いてしまいなさいよ、とつい思ってしまいます。
あの間の取り方に、悲惨な場面でもつい笑いを誘われてしまいました。
しかし小説家が飲酒運転で自動車事故を起した所に通りかかるなんて、神様もなんてことをしてくれたのでしょう。
始まりのシーンが好きです。つい一緒に拍手してしまいますよ。
狂気に飲み込まれることなく、なんとかして正気でいようとするポール。自分を励ます独り言が好きです。実況中継風で。恐怖に怯え、痛みを必死に堪えてる様には、こちらも手に汗握ってしまいます。
今までの苦労が水の泡になったシーンでは、フリーズして文章が全部駄目になった時を思い出しました。
俺の時間を返してくれと…。失われた文章は、二度と同じものを書けないですから。
映画版ではキャシー・ベイツ演じるアニーが、ハンマーを振り上げる場面がトラウマになったのですが、あれでもかなり残酷さを控えめにしていたとは。この舞台を観て、初めて知りました。うーん、でも笑いがもれてしまうなんて。
でもポールの作家として、あらゆることをネタにする、転んでもただでは起きない強さがなければ、早々に負けていたでしょう。災い転じて福となる…かな。
休憩を挟んで約二時間三十五分の舞台ですが、展開が早いために気になりませんでした。
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