『三人吉三巴白浪』
河竹黙阿弥って日本史や国語の授業に名前が出てきたなあ、ぐらいの知識しかなくてすいません。
三人吉三の義兄弟の契りに始まり、本郷火の見櫓の場での立ち回りまで一気に魅せられました。
因果が複雑に絡み合い、人間関係もややこしいのですが、こういうの好きなんですよ~。
父の因果は子に継がれと言いますが、和尚吉三が一番辛い役回りだなあと。
悲劇の中に描かれる苦悩や葛藤、生への欲求、自己犠牲。最後の見得を切る場面、降りしきる雪にかき消されそうで切なかったです。
『鬼揃紅葉狩』
鬼女たちの舞と常盤津・竹本・長唄囃子の掛け合いが見所。
日の暮れかかった山奥で、美しい姫とその一行の誘いを断れず酒宴にふける維茂一行。ここは、どんな猛者も美人には弱いのよね~と呆れることですかね。八尾媛が眠らされた維茂一行を起こすときに、従者だけ手荒く棒で突っついていたのがなんだか笑えました。神女にも贔屓目があるようです、笑。
鬼女たちの着物の柄も素敵でした。着物やかつらは重いので、足を踏み鳴らしたり、頭をぐるぐると振り回したりとあれだけの動きをするのは大変だろうなと思いながら観ていました。群舞で維茂たちに迫る場面とか、鳥肌たちましたよ。
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