ユアン・マクレガーの大陸横断バイクの旅、今回は「ロシア 骨の道」からお送りします。
骨の道は、墓場だ。とロシアの現地コーディネーターが言いました。
スターリンの粛清時代に強制労働として造られた道で、あまりにも過酷な状況の中、死んだ人々は道の下に埋められていったそうです。重機を用いずに人の手だけで造られているので、もはや道路といえるものではなくなっています。
撮影の行われた六月は川の水量が多く、流れも急。
しかし、橋はかかっていない。
川べりには、渡ろうとして横転してしまった車の残骸が。
無理して渡っている途中、バイクを支えつづける重みでチャーリーの左肩が外れてしまいました。
「彼は奴隷じゃない。水温二度の中、無理して川を渡っていく必要がどこにある。そんなに川を渡る画が欲しいのか。」とドクターストップがかかりました。
バイクはトラックの荷台に載せて、暫く進むことに。
道に大きな穴が開いていると、皆で近くの木を切り倒して塞ぎます。
熊に遭遇したときは、運転手が車を止めて、銃を手に熊を追いかけていきます。
そしてあっという間に熊をしとめ、小さなナイフで器用に毛皮を剥いでいきます。
胆のうは、漢方薬として中国人が購入してくれるそうです。
ユアンは「酷すぎる」と絶句。以前、ユアンは白熊のドキュメンタリー番組に出演して、生態を追ったことがあるのです。確か日本では教育テレビで放送されました。
一方チャーリーは、生きるためには仕方がない、と。運転手の仕事をしたって、たいした金にならないのだから、必要な範囲内でのことなら止むを得ないと。
個人的にはチャーリーに同意です。
川を渡ろうとした時、丁度対岸にトラックが三台ほど止まっていました。
口論の末、一台が渡ろうとするのですが流れが急で横倒しになりそうに。
ユアンがビクッとし、スタッフも目を覆ったのですが、トラックはなんとか体制を立て直してバックで戻っていきました。見事!
でユアンたちが、タイヤが乗り上げやすいように地ならしをしたところ、無事にトラックは三台とも渡りきりました。そしてウォッカで乾杯(笑
今度は、ユアンたちの番。
しかし、運転手さんはロシア語しかできないので、微妙なニュアンスが伝わらずハラハラすることに。
トラックの荷台に、小型バンを載せて渡るときにはバンの背にくくりつけた荷物が一つ流されてしまいました。
チャーリーが走って、キャッチ。
よく渡りきったなと思います。
どんなに辛い事があっても、その国を去る時は寂しいものです。
特にロシアでは苦労続きで皆で協力したため、現地スタッフとのお別れは本当に悲しそうでした。
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