練馬区立美術館にて9/17まで開催中の「山口晃展 今度は武者絵だ!!」に行って参りました。
西武池袋線の中村橋駅からすぐ近くにある美術館。
展示室は四室ありまして、二階から鑑賞して行きます。
二階へ上がる階段の壁には、トップランナーの番組で描かれたマキさんの絵が。
目がらんらんと赤く光り、殺気を放っています。夜中に絵を抜出して、館内を歩き回っていたら怖いなあと想像してしまいました。
やはり第一室の連作「無残の介」がかっこよいのです。刀鍛冶によって、名刀が生み出されるところから始まり、刀の持つ狂気に取り付かれてしまう一人の男。その男の果ては…。
その刀は歴史に埋もれていましたが、ひょんなことからある男の手に渡ります。
山車から登場する機巧のかっちょええこと!!司令部のボスも感動しているぐらいです。
山口さんの絵は、ちょっとしたところに書かれている擬音や言葉が面白いです。
機巧とマキの戦いは如何に?!
馬バイクの作り方、いやあれしかないのですが絵として目の当たりにすると、結構残酷ですよね…。
でも格好いいから好きです。無機物と有機物の融合って、私にとっては子供の時に見た「AKIRA」の鉄雄が強烈だったので。
馬バイクの九相図は、物悲しいです。エンジンまで盗まれて、犬に食べられて。人間の九相図も、腐敗していく様を描いていてカラスに突付かれたりと、白骨になって行く様が描かれています。
なんだろう、馬バイクの場合は矢張りものとして扱われているのが、余計に心苦しいのかな。
頼光と四天王の鬼退治図、シンプルで素敵です。頼光が鬼を踏んづけています。
地獄巡り図も楽しいです。三途の川を渡るときに、皮を脱ぎ捨てて骸骨になる。
その後の世界も、俗世と変わらず。最後の解説四コマが解説になってないのが、また笑えます。
第二室では、私が山口さんにはまる切っ掛けとなった五武人の図や十字軍図、お馬鹿合戦図、頼朝の複製図などが。あの間違い探し、分からなかったのが悔しいです…。武者絵いいな~。
第三室では日露戦争時の絵葉書風の小作品が展示されています。
マグネットなどに商品化されているイラストもありました。
ここでも馬バイクが登場です。
第四室では、成田空港の壁画の下絵や、ブルータスに掲載された若冲双六図、ホラードラコニアシリーズの挿絵、公共広告機構の江戸しぐさのCM下絵など、今までのお仕事クロニクルまであって見ごたえがありました。
一時間半ぐらいかかったかな。これで入館料五百円って、練馬区立美術館さんありがとう!!
足しげく通えないのが残念ですが。
ああもう図録が楽しみですよ。十月中旬に発送だそうです。勿論予約して来ました。
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