澁澤龍彦-幻想美術館展(埼玉県立近代美術館)に行ってきました。
北浦和公園内に美術館はあります。公園の八重桜や枝垂桜は、少し花が散っているものの綺麗に咲いています。小さい子たちが「きれいー」と言いながら、枝垂桜と戯れていたのが印象的。素直でいいなあ。
没後二十年を記念しての美術展ということで、澁澤龍彦の生涯を通じて、彼が興味を示したり影響を受けた美術作品の数々が展示されています。作家ご本人や個人蔵の作品が、かなりの割合を占めています。
これで大人九百円という入場料は安いなあ。駅からも近いし、近くにお茶したり食事をする場所もあって、便利な美術館だと思います。
ベルメールは人形の写真を鑑賞することが多いのですが、エッチングの作品が何点か展示されています。
もちろんエロティック全開ですが。朝からこんな絵を見ていたら、不健康だなと(苦笑)
澁澤邸には、ベルメールの人形を模した物が飾ってあるようです。チラシの裏に載っている写真に、その一体がちょこんと写っています。
アルチンボルドの「ウェイター」はワイン樽やピッチャー、コルク抜きなどで出来た人物の絵。
デューラーを始めとする木版やエッチングも見ごたえがあります。
ルドンとギュスターヴ・モローの聖セバスティアンの絵は、青年が布切れ一枚で木に縛り付けられ、何箇所も矢に射抜かれている凄惨なもの。天使が矢を抜いているその様子に、愛と美が感じられます。
ビアズレーのサロメの挿絵もありました。この挿絵大好きなんです。
ダリの作品は、前期後期で入れ替えがあるとのこと。最近なんだか縁付いていて、よく見る機会があります。
次々に見た事のない作品を見られるのは喜ぶべきこと。
もちろんマルグリットも忘れずに。
川北喜久治さんの写真で、ノイシュヴァンシュタイン城やイゾラ・ベッラ、ボマルツォなど私が行ってみたい怪しい建築物の作品が。お城は普通のツアーコースに入っていますが、他のは個人でないとなかなか行けない場所。死ぬまでに一度は行ってみたいのですが。
暁斎や若冲、酒井抱一などの絵も飾って有りました。
帰りにミュージアムショップで暁斎の劇画集を購入。岩波文庫から出ているなんて知らなかったです。
展示作品は三百点近くにも及ぶので、かなり見ごたえのある美術展となっています。
自分の好きなアーティストを新発見できるかもしれません。楽しめました。
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