青山円劇カウンシル#1 RISE! 『ウラノス』
円形劇場は観客席と舞台がとても近いため、俳優さんたちの表情までよく見えるので好きです。
ただ場所によっては背中しか見えないのがたまに傷。特に盛り上がるシーンだと辛いのですが。
村はずれの一軒屋。地質学的に珍しい土地だと、大企業から買取の話が持ち上がる。父親が失踪したこの家を守るのは姉妹の妹香依。もちろん売る気など無い。東京へと出て行った姉の朝子が戻ってきたことで、話は動き出す。庭の端にあった碑に隠されていた深い穴。そこに隠されていた村の歴史とは。
香依ちゃんを慕う金田君が可愛らしかったです。人の心がオーラの色によって分かる、という特殊能力の持ち主。本当の自分を隠してひたむきに生きる好青年。
学者役の俳優さん、何処かで観たことがあるなあと考えてまして。ネットで調べたら『コペンハーゲン』でハイゼンベルグ役を演じてらした今井朋彦さんでした。とても存在感のある俳優さん。人のいい学者さんかと思いきや、その裏に隠されていたのは私利私欲を求める浅はかな人間の姿。
弁護士さんは法の正義を下す人のはずなのに。一番権力と結びつきやすい場所にいる人でもある。上から人を見下しているのがムカツクなと。
三浦さん可哀想。ふと気配を感じて見上げてみたら。そうか、そういうことかと。この先生きていくのはとても辛い。
香依さんはこの先どうするんだろう。朝子さんは決意したみたいですが。朝子さんは東京にいただけあって、服装がおしゃれさんでした。朝子さんを慕う村役場の人、あの人は正しいことをしていたのに。弱者は常に強いたげられる。お金に目がくらみ、本当に大事な物を失ってしまう。
今の自分がよければ、それでいいのか。考えさせられる舞台でした。
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