『リア王』
イギリスって寒いよなあと思い出させる、もこもこの毛皮姿でみなさん登場。
この毛皮の下に傲慢さや強欲などが詰まってるんだろうなあ。
リア王の平幹二郎さん、安穏な老後を夢見ていたら育てた子に裏切られて。
気づいたときには全てを失い。孤独な老人に成り果てる哀れさに涙。
吉田鋼太郎さんのグロスター伯爵に涙涙。
高橋洋さんのエドガーとのやりとりは、切なすぎです。
池内博之さんのエドマンドからは、庶子としての苛立ちが感じられます。スキンヘッドが格好いい!
エドガーは嫡子としての気負いもなく、エドマンドにも優しい人だったのが裏目に出てしまい。
ドラマとしては、この親子の話のほうが濃いなと。エドガーもあんなに身をやつして放浪し、グロスターにいたっては、無残な仕打ちを受けて。エドマンドも最期には善人になろうとしました。
それに比べて、リアの娘たちは。
白馬に乗って登場したコーディリア。馬かわいいよ馬。あの甲冑姿は素敵です。
自分のコーディリアのイメージはもう少し儚げだけど、芯が強いというものでして。ちょっと違うかなあ。
救いの手を差し伸べてくれたフランス王は格好よかったですよ。
リーガンとゴネリルは夫がいる身でありながら。その隙に付け込むエドガーも悪いのだけれど。
悪役のお姉さま方は、悪に徹していて好きです(苦笑)きっとお前が男だったら…と言われつづけていたのだろうと妄想。その恨みは激しいでしょう。
山崎一さんの道化もよかったです。なんとか必死に慰めようとするところとか。
虐げられながらもひた向きに従うケント伯は、家臣の鏡。
リア王は決して孤独じゃなかった。
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