エドワード4世を今井さんが演じる。
このためにチケットを取りましたよ~。リーゼントにもみ上げ姿という80年代ファッションには一瞬戸惑いましたが、オーラが違いますから!!例え女好きであってもね・・・。フランスへ婚姻交渉しに行っているウォリック伯を裏切った気など毛頭なく、弟のジョージの裏切りをあっさり許すなど、人のよさが垣間見えます。だからリチャードにはめられるわけですが、これはまた別のお話。
後光を背負いながら、丘を越えてくる登場シーンはとても素敵でした。霧の中から先にシルエットだけが現れる演出は、盛り上がりますね。未亡人をくどきまくるのはいかがなものでしょう(笑)
紙の王冠を戴くヨーク公。
鎖でぐるぐるに捕縛される場面は、まるで運命に絡め取られるかのようでした。生きたまま捕らえるためには、ああするのが一番なんだな~。ここからマーガレットの罵倒が始まるわけです。幼くして無残にも殺害された愛息ラットランドを語る場面では、敵であっても貰い泣きです。
がみがみ女のマーガレット。
マーガレットの言葉は刃先の鋭い剣にも勝るもの。ヨークの心はずたずたに引き裂かれたはず。小国とはいえども王女の彼女は、伯爵ごときに馬鹿にされる言われはないのでしょうねえ。
ヘンリー6世が穏やか天然系の人なので、自分がしっかりしないと頑張る姿勢は理解できます。自分の王座だけ安泰であれば、息子はどうでもいいのかい!!と突っ込みたくなりますもの。戦場に御出でにならなくても結構と、ヘンリー6世を突き放す冷静さがよいのです。息子の死の前では、ただの母親になってしまう姿が悲しみを誘います。結果として、口は災いもとになってしまったのでした。
ロンドン塔大好きヘンリー6世。
お前がしっかりせんからこうなるんじゃ~!!と、宙ぶらりんになった彼を見て思った自分・・・。冷血ですいません。
時代が彼の王座を許さなかった悲劇の人。人の悪意に鈍感なのって、幸せなのか不幸なのか。
その分、皇太子エドワードがしっかりものなんですけど。賢い子どもは、疎まれてしまう酷い世の中。
キングメーカーのウォリックも、最後は自滅したかたちになりました。策士策に溺れる。
そのリチャードは男前すぎるのでは。
岡本さんでは格好よすぎるんじゃ・・・と危惧してましたが、世の中への恨みだけで生きているリチャードぴったりでした。頭にかざった白薔薇がチャームポイント。独白でその腹黒ぶりが徐々に明らかにされていくわけでして。親兄弟も踏み越えて、全てのものを見下ろす玉座を手に入れる野望が見えてきます。それまでは懸命に下働き。最後の満面の笑みを見て“to be continued”の文字が頭に浮かびました。このまま『リチャード3世』を観て見たい!!
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