青山円形劇場にてシラノ・ド・ベルジュラックを観劇してきました。
市川右近さん演じるシラノは文武両道にたけ、青年隊や騎兵と話すときには
べらんめえ口調、ロクサアヌへの秘めたる想いを口にするときには淀みの
ない雅語。鼻を気にするあまり、自分の想いを直接伝えられず、ロクサアヌ
が恋するクリスチャンを通じて愛を語ります。
ああもう本当のこと言っちゃいなさいよ!!とル・ブレと一緒に応援したくなります。
三人のバルコニーでのやり取りが一番楽しかったです。
桂憲一さん演じるクリスチャンは好青年。
ロクサアヌを愛しますが、伝える言葉が見つからない。
シラノを利用しているはずが、何時の間にか…。
僕は馬鹿じゃない、という言葉は本物です。自分の立場に気付いた時には。
彼の想いを考えると、せつないですねえ。
安寿ミラさん演じるロクサアヌは、愛に一筋という素敵な女性。
勝気だけれど、その容姿に相まっていて愛さずにはいられないのだなあと
思います。シラノとのやり取りが好きです。途中でル・ブレが会話を遮る時には、
あまりにも集中し過ぎてしまい、誰だよ芝居の途中に大声で喋ってうるさいなあ
と思いました…。ああもう何やってるんだか。
クリスチャンもロクサアヌも、シラノの本当の想いを知るけれど、彼はそれを
ひた隠しにして本当のことを絶対に言いません。
そんなシラノの心意気に惹かれてしまいます。
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