「The Guys 消防士たち」を博品館劇場にて観てきました。
9.11のワールド・トレード・センター崩落の際、救助に当っていた消防士たちも命を失いました。
消防隊長のニック(津嘉山正種さん)が追悼文を送ることになったのですが、
どうにも上手くまとめられません。そこでジャーナリストのジョーン(三田和代さん)
が手を貸すことになったのですが…。
もしも自分の職場の人が、誰かを救うために命を落としたら。
危険が付きまとう仕事だと、みんな分かっています。
それでも、誰かが悪意を持って大勢の命を奪った時、自分だけ助かってしまった
のなら。
ニックが故人を語るうちに、ひょっとしたらテロは自分に降りかかったかもしれな
いと思えてきます。ジョーンが次第に感情移入していく様子も、共感できました。
津嘉山さんのニックは、優しにあふれ、自分がなぜ生き残ったのかと悩みにくれ
ています。三田さんのジョーンは、最初は仕事として話を聞いていたけれど、次第
に自分の問題として冷静に考えていくようになります。
消防士は肉体を使って人を助け、ジャーナリストは言葉で人を助ける。
もやもやした気持ちを人の心に染みる言葉で表現できるのも、素晴らしい才能です。
ジョーンの手助けがあって、ニックも心の整理が付いたのではないかと思います。
話をすることで、自分の中から悲嘆、失望、後悔といった負の感情も消えていった
のではないかと。
原作を同じくする映画「9.11 あの日を忘れない」をラスト30分ほどテレビで見たの
ですが、こちらはジョーン役をシガニー・ウィーバー、ニック役をアンソニー・ラバ
リアが演じています。
予想外のアンソニー・ラバリアの登場に驚きましたよ。
この映画の後にFBI失踪者を追え!のジャック役を演じるようになったのですね。
舞台が同じニューヨークなので、なんだか感慨深いです。
シガニー・ウィーバーのジョーンは、異性としてニックを見つめるようになるのが面
白いです。映画ならではの妄想シーンとか。
ニックはお葬式のシーンでいつ泣き出すかと、見ていて心配になるぐらい涙目
になっていました。何度も撮影し直したら、疲れそう…(←余計なお世話)
エンドロールに流れた歌の歌詞がまた泣かせるのです。
あの日亡くなった消防官が、奥さんや恋人へとお別れを告げる内容なのですが。
胸を打たれます。
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