東京芸術大学美術館で9月27日から10月23日まで開催中の「台東区のたからもの-寺社所蔵の文化財に見る歴史・文化」展に行って来ました。
前期と後期で展示品の入れ替えがあります。10月12日からは後期。
ちなみに自分が行ったのは10日なので前期になります。
展示品が一番多いのはやはり浅草寺関連。
あと板碑も実物が十数点あります。
一番感動したのは「一編上人行状図版木」(前後期展示)。細かいです。当たり前なんだけど、文字も全部逆。
一緒に行った友人と「途中で飽きたり、失敗したら、この版木燃やしたくなるよね」とバチ当りな事を話してしまいました。摺本展示もあります。ガラスに遮られて遠くに飾られているので、じっくり見られないのが残念。
オペラグラス持参じゃないと無理。一時期オペラグラス持参で美術館に来ている人たちをよく見かけたのですが、最近はいなくなったようで。
美術館の三階では「退任記念 堀越保二・手塚登久夫展」(会期:10月6日-10月23日)を開催中でした。
堀越氏は日本画の人。鳥と貝殻が印象的な絵です。
季節は秋、冬。車窓から見た田舎の田園風景に鳥が飛んでいるという感じ。
自分には田舎がないのですが、記憶の何処かで見たことがあるような既視感。
海辺に落ちている貝殻はあまりにも白くてすべすべしていて、自然なのに何処か人工的なものを感じる事があります。何もない地平線に白い貝殻が描かれて、不思議な世界にひきずりこまれます。
手塚氏は彫刻家。梟がとても印象的です。連れて帰りたいぐらい。
質感の違う石を組み合わせた彫刻がいいなと。すべすべとざらざらと、黒と白と。
手塚氏の彫刻については美術館陳列館で「石の思考;手塚登久夫と芸大石彫」という作品展が同期間開催中。卒業生の方たちの作品も展示されています。
何か独特の匂いがして、なんだか懐かしいこの匂いは・・と思っていたら香取線香でした。
芸大って木が鬱蒼と茂っているから、やぶ蚊が多いんですね。受け付けの方、犠牲者でしたか・・。
中庭のような所ではカブト虫やクワガタの彫刻が。虫キング好きにはたまらないかと。
陳列館の一階にあった「ケーロインの羽翼」(大理石)がお気に入り。自分の家が西洋のお屋敷風だったら、欲しいです・・。
二階に上がると「僕のビーナス」(御影石)なんかは友だちが持って帰りたいと言ってました。
石だけど丸みがあってふっくらして可愛い感じがします。「徒歩」(大理石)は赤ちゃんの上半身の作品。
赤ちゃん独特のお腹や背中の肉付きのよさが素敵。触りたくなります。
「White」(大理石)は、一見すると普通の少年の像。しかしよく見ると、洋服についているのは全て耳。
少年が手にしているのも耳。台座にも耳耳耳。じっと見てると怖くなります。
「Button」(大理石)はそのまま大きいボタン。トカゲと花の模様が入っているのがいいなぁ。
彫刻をまとめて見る機会はあまりないので満足しました。
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