千葉市美術館にて8月27日(日)まで開催中の「イギリスの美しい本」展に行って来ました。
初めて行く場所だったこともあり、到着するまでにやや疲れました。
曇り空で涼しかったというのに。体力の衰えを実感します。
京成千葉中央駅から一本道を歩いて、十分ほどの距離なんですけどね。
美術館は千葉市中央区役所の建物の7、8階になります。
駅から表示が出ているので、迷う事はありませんでした。
ウィリアム・モリスをはじめとした本の装丁、ブレイクやターナーによる挿絵を鑑賞するというこの企画。
ウィリアム・ブレイク挿絵の「夜想」第四夜では、さわやかさ全開のイエスが登場。
なんか微笑ましいです・・。刊行が1797年ですが、かなり綺麗です。
トマス・マロリー著、挿絵オーブリー・ピアズリーの「アーサー王の死」が見られて感激です。
筑摩書房から現在「アーサー王物語」として刊行中のシリーズ最終巻に該当する作品なので。
展示されていたものは、1893-94に刊行されたもので、すでに茶色い染みがそこかしこに。
でも、文字と挿絵の黒いインクはかすれることなく鮮やかです。
分冊のものは、触っただけでぼろぼろと崩れ去りそうな感じ。
装丁を見るでけでなく本文もついつい読んでしまうので、一作当たりの鑑賞時間が長くなってしまいました。
ただでさえ英語は苦手なのに、古英語なので更に理解しづらく(汗)
最後の方では現在のイギリス製本装丁家協会「デザイナー・ブックバインダーズ」の作品が展示してあります。
フランシス・コヴェントリー著「子犬のポンピィ」の装丁(松野有子)がめちゃ可愛いかったです。
「それに触らせてくれぃ!!」と叫びたくなるような。函には、子犬のあのふわふわ感を表現した人造毛皮があしらわれています。本そのものには、裏表紙に子犬の尻尾のような「ちょこん」としたふわふわがついているのです。
ウィリアム・シェイクスピア著「ハムレット」の装丁(フィリップ・スミス)は、鬼気迫るものが感じられて、部屋に置くのはちょっと怖いかなーなんて。表紙が幽霊に憑かれたかのようなハムレット。裏表紙は幽霊として現れたハムレットの父。
図書館では場所を取ってしまうので、とても所蔵できない本ばかり。
一手間かけて本を芸術作品の粋まで上げてしまうのは、本当に本が好きでないとできないですね。
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