東京都現代美術館で開催中の「中村宏図画事件」展、「等身大の約束」展、「闇の中で」展を観て来ました。
日曜の午後遅くに行ったのですが、じっくり観る事が出来ました。始まってすぐだからでしょう。
中村宏図画事件展は、前半は衝撃的で夢に出てきそう。後半になるに連れて、表現が丸くなってきているようです。観る側にも、精神・肉体ともに力が必要というような。
機関車とセーラー服姿の少女が繰り返しモチーフとして使用されています。少女は一つ目でお下げ姿。
赤一色で描かれた作品は、まるで血のよう。なんだでか便器が印象的だった。
等身大の約束展は、五名の作家さんたちの作品が展示されています。
情報化社会の現代で自分自身とは何か、改めて考えるのが趣旨だとか。
千葉菜穂子さんの作品は、記憶を立体や平面に再構成し、自分を含めた家族の過去を振り返っています。
自分には田舎と呼べる場所がないので、こういうのって懐かしくて羨ましい部分があります。
秋山さやかさんの作品は、自分が歩いたところを地図の上に刺繍糸やスパンコールなどで印をつけたもの。
ああ、面白いなー。自分の行動範囲を改めて見て見ると、楽しいかも。用途ごとに色を変えてみたり。
海外を歩いた作品には、簡単な日記が付いていて、楽しんで読んでしまいました。
閉館まであまり時間がなかったのだけど。
中山ダイスケさんの作品、中に浮かんだリンゴとか、白い家の屋根にたくさんのアンテナが立っていてリンゴが転がっている物とか観ているだけで微笑ましいものがあります。一方で、展示室に入った途端にうわっ人がいるよ、と思った作品(布を被った人の頭からアンテナが出ている)もあります。この人型のはなんだか怖いです。
加藤泉さんの作品は、可愛いけれどどこか不気味な木の人形たち。と、その絵画バージョン。
なんだか積み重なってます。
しばたゆりさんの作品は、一番女性らしいなと思いました。
自分の血をグリセリンと混ぜて口紅にしたもの、髪の毛、両親の遺骨を粉にしたものなど。
自分の大事なものを粉にして、瓶に入れ、ラベルを付けて整理する。
粉にしたものを絵の具に混ぜて、絵画とする。全ては土に返ってしまうけれど。
あらゆる物に形を変えて、それらは死から再生するのかもしれない。
苔の作品が好きです。近づくと、苔の匂いがして。
常設展示の特集「闇の中で」展は、三階の展示室は照明が落とされ、暗くなっています。
広い場所を生かした展示がされていて、「月のかけら」「ヴァシヴィエールの月」には圧倒されます。
「アルミナのエロス」はパンフに載っているのと配置が違い、印象が違います。
暗闇の中にスイカやさくらんぼの絵が浮かび上がる作品は、明るい場所で見るとどんな風に見えるのかな。
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