芸大美術館 陳列館にて9/17まで開催中の「自画像の証言」に行って来ました。
学生が卒業制作として自画像を描いたものを収集し、120周年記念事業の一つとして、今回陳列館で展示されることになったそうです。明治31年から始まり一時期途絶えたものの、現在も進行中だとか。
明治期は学ランを来て、真面目に描いているものが多かったです。
その年代によって、絵にも流行があるのかなと思ったり。
藤田嗣治さんはすぐに分かりました。
階段を上がると、昭和から平成の自画像が展示されています。
キャンパスを真っ黒に塗ったものや、静物画の中に自分の頭部石膏像を置いている人もいたり。
自画像という枠にとらわれることなく、自分を自由に表現した作品が増えてきます。
山口晃さんのがなくてがっかり。村上隆さんは、右斜めを向いた自画像で普段着の自分を描かれていました。松井冬子さんは、怖いという印象。
時代を問うことなく、嫌々描いている人、ノリノリで描いている人、は見ていてすぐに分かります。


その後はてくてく歩いて東京国立博物館へと向かいます。
特別展は終了していたのですが、常設展の特集陳列「キリシタン-信仰とその証-」を観たかったのです。ロザリオを禁止されたため、麻の縄に結び目をいくつも作り、それをロザリオに見立てたものや、エッケ・ホモやピエタの踏絵などがありました。ロザリオの知恵には、感心しきりです。信仰心の薄い私としては、頭が下がります。
『聖母像(親指のマリア)』はイタリア人宣教師シドッチが描いたもの。マリアがまとう青色のマントは、その色があせることなく今も美しい。マリアの内部から光が溢れ出しています。これを観られただけでも来た甲斐がありました。

浮世絵の部屋では菱川師宣の『見返り美人図』が9/24まで展示されています。浮世絵は度々展示替えされているので、観ていて飽きません。絵や工芸も季節ごとに替わっていて、今は秋の七草が描かれているものが多かったです。
博物館で季節を感じるなんて。外は残暑の陽射しが厳しくて、死にそうでしたから…。
法隆寺宝物館は照明がかなり暗くて、静謐な雰囲気が大好き。たまに閉館間際に行くと、一人きりだったりして。伎楽面は保存のために観られませんでした。残念。
東洋館のインド各地の細密画が良かったです。初めて観ましたよ。クリシュナが描かれている作品が多かったです。シヴァとパールヴァティーとの結婚式のもあったし。詳しくは東京国立博物館のサイトに載っています。
9/17(祝)敬老の日は常設展が無料観覧なんですね。だから今日は空いていたのか…。